ご挨拶

私は10数年前にカンボジアでの支援を要請され、カンボジアの地を訪問しました。実際のカンボジアを目の当たりにし、本当に必要な支援は「モノ」を与えることではなく、「人や教育」をサポートすることだと実感しました。2008年に公益財団法人CIESF(シーセフ)という団体を立ち上げて、10年にわたり、教師の育成や教育行政の改善、起業家や産業人材の育成に取り組んでまいりました。そして2016年にこのCIESF Leaders Academy(シーセフ リーダーズ アカデミー)を開校しました。

今、世界中で「今だけ良ければいい」「自分だけ、自分の国だけ良ければいい」という考え方が蔓延しています。世界の国々は国益のみを優先するあまり、環境保全への努力を怠ったり、核開発の拡大、貿易戦争を引き起こしています。貧富の格差も一層深刻化するばかりです。そうした中で、地球環境の保全や世界平和、貧困のない世界の実現を目指し、世界中の人々の幸せのために「地球益」という共通の考え方が必要です。

そのために私たちは、地球益を考えて行動できる未来のリーダー育成すべく、この幼小中一貫校を設立しました。ここでは子どもたちが学びの中心です。子どもの「気づき」から学びを深め、学ぶ楽しさを知り、自分の学びに責任を持つことで自立心を育て、仲間と協働することでお互いの多様性を尊重し、利他の心を育みます。そして様々な人や社会とのかかわりの中で、身近な、また社会課題と向き合いながら正解のない問いに取り組む、社会と密接した、生きた学びを大切にします。

「教育が変われば、未来は変わる」と信じ、将来子どもたちが志を持って、持続可能な社会の実現のために活躍してくれることを願っております。


公益財団法人CIESF 理事長

CIESF Leaders Academy創設者

大久保秀夫

カンボジアは国民の平均年齢が24.5歳と、世界でも非常に若者が多い国のひとつです。若者が多い国は活気に満ちていますね。そしてこの若者が新しい国を創ります。これから生きる若者には、どんな未来が待っているのでしょうか?CLAの子ども達が大人になる頃には、ロボットが人間の代わりに働き、人間とAIが協働し世の中を創っているかも知れません。これからの時代を生き抜くために必要な力とは、学校だけでなく、インターネットやAIから得た知識を使って、新しい「もの・こと」を創り出すことができる力です。そのために、CLAではICTやAI使い探究的な学習と組合わせた学習プログラムを行います。

CLAでは「自立と共生」を運営方針として、自分で決めて行動する力と、世のため人のために行動できる力を育みます。ロボットやAIから学ぶことはできない、人が集う学校だからこそ学べる力です。そして学校では生徒だけでなく先生も日々学んでいます。学ぶことが楽しい。教えることにワクワクする。そんな毎日を送っています。CLAに集うすべての方と共に、カンボジアに豊かで幸せな社会を築くために、CLAは新しい教育創りを実践していきます。

CIESF Leaders Academy 学校長

笹原 健司